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  • 執筆者の写真株式会社WINxVAL

#008 やっぱりすごいぞ、キングダム

株式会社WINxVAL、代表の菱沼寛章です。


 前回と似たタイトルになりますが、思い出したまま書いてしまいます。先月、少し仕事に隙間ができたので金沢に行ってきました。家族は初北陸だったのですが、自分は転勤族の家庭だったため小学校4回+中学校2回と地方ごと大きく住む場所は変わっていたり、高校の時には一人旅が好きだったこともあり、全県訪れたことがあるので久しぶりの金沢でした。久しぶりとはいえ数十年ぶりなので、見ごたえが多々ありました。料理も今の年齢だからわかる美味しさもあって、色々堪能できました。(海鮮や牛豚だけでなく、金時草とか野菜も美味なのが楽しく嬉しい)


 その数十年前にはなかったと思うのですが、金沢にある美術館21世紀美術館はインスタとかTVとかで紹介されまくっていて、多様な面白い写真が撮れる場所として有名なので当然行ってみようという話になりました。ホテルから近かったので歩いて向かっている途中、見かけた施設に漫画「キングダム」の大きなポスターが並んでいました。


 

「キングダム」は、嫌いって言う人はほとんどいないんじゃないか?と感じる超人気漫画です。自分も割と初期のころから好きで、未だにヤングジャンプで連載を追ってたりします。上図は21世紀美術館ではなく周辺にある関連施設で貼られてもので既に何度か見たカットではあったのですが、この大きさに拡大されても粗を感じない、かつ近づくほどに迫力が増す作画に目を引かれました。僕が好きな人物は歴史的には廉頗や楽毅なのですが(燃える史実が多い)、どのキャラもそれぞれ見所あるので各キャラに思い入れが勝手にできてしまっています。その時期、21世紀美術館でキングダム展が行われていたので、着いた早々に金沢城よりも先にそちらを見学しました。

 というわけで、いざ見てみると、これが驚きしかない展示会でした。前回と同じフレーズで失礼します、なのですが単なる真実なので仕方ないです。原画が山ほど飾られていたのですが、原画サイズで見るとココまで描きこんでいるのか!と圧倒されます。鎧の装飾とか質感、背景の人影や動きなど、すべてに力が注がれていて、原画のサイズで(AKIRAのように)漫画売ってくれたら全巻買い直すわと、本気で思わせてくれます。


 特に印象に残ったのが、王騎が死ぬ直前に騰(とう)と話すシーンです。騰が主のために様々な感情を押し殺すべく血が出るほどに拱手する(手を組む)シーンは記憶に残ると思いますが、この原画サイズで見ると、瀕死の王騎を初めて見る目と話しかけられて顔を上げて見る目では微妙に表現が違っていて、ちゃんと心情の変化が画に乗っているのです。まるで役者が演じて見えるような驚きの再発見が山ほどあって中々先に進めませんでした。どうにか進んだ最後には、桓騎がエールを送ってくれました。



 つまり作者の原先生は、ヤングジャンプや単行本のサイズに合わせて作画していたのではなく、向き合った原稿に全てを注ぎ込んでいるのが如実にわかります。書き込んでいる漫画さんは他にも多く居られると思いますが、ここまで情念を感じるのは初めてに近い感覚でした。だからこそ、手に取る人に伝わっているのだと思います。


 ゲームでも細部にまでこだわって仕込んだり仕上げたりすると必ず見て感じてくれる人がいて、その関係が商品全体のクオリティや熱を支えてくれることが多いと思っています。「そんなとこ見ないよ」「そこまでする必要はない」という意見も出てきますが、それでも執念深く商品を仕上げることで、必ず誰かが見つけてくれているのが分かります。今まで関わったゲームがほとんど大作だったせいか、集まる感想や意見が多かったことも幸いしたと思います。「熱」があるから触ってもらえるわけで、その「熱」がまた連鎖していき大きな力になっていく……、あらためて大事なことなんだなあと感じ入りました。おっと? ふと気づきましたが、「熱」を「火」とかに置き換えると、話の内容が「キングダム」っぽく、ないです? ……ないですかね、失礼いたしました。


 ご質問ご感想、ご要望等ございましたら、弊社ホームページからお送りください。答えられる内容であれば、この場で回答的に書き込みたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

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