株式会社WINxVAL、代表の菱沼寛章です。
このブログ初の後編! ……と、あおるほどのことではないのですが、Indie Games Festival 2023 に参加した話の続きです。
前日の通しリハーサルを受けて、いよいよイベント当日になりました。会場も立派ですし、各タイトルの紹介や専用の司会進行もあって、想像以上に本格的な催しでした。
特に驚いたのが、事前にインタビューなどを撮影し1分の紹介動画を作ってくれたことでした。プレゼンの前に動画が流れるという本格的な構成の上に、映像のプロが撮影と編集してくれたので、とても見ごたえのあるものに仕上がっていました。ただ、こうなると本タイトルを作った動機に触れたくなり、インタビューではその説明を思いっきり入れてもらいました。
さらに、TOP20に選ばれたタイトルは長い期間の準備と仕上げで作られた力作や良作ぞろいなので、弊社もせめて制作熱意やモチベーションだけでも伝えたいと考えてしまい、プレゼン内容まで大幅に変更してしまいました。ということで、弊社タイトル「February of Cards」で行った試みを、この場でも説明させていただきます。
動画でも紹介してもらったのですが、ゲーム業界未経験者である自分の子供(といっても、もう18歳になる成人ですが)のデザインを取り入れています。
他の未経験の方にも制作のお手伝いをしてもらいましたが、ゲームだけでなく制作全般に関わってこなかった存在からのアイデアを組み込みたかったので、最も身近にいた自閉症の息子に挑戦してもらいました。
「February of Cards」は、トランプではなく7枚の曜日カードをカレンダーのように並べているゲームで、元々作りたいゲームの1つでした。ただ、それだけでは既存の想定枠を出ない商品になるかもしれず、デザイン部分で息子の力と混ざることで化学反応を期待しました。
まず対戦するキャラのデザイン箇所で、ゲーム内容を知る前に意識せずに書いていた落書き(擬人化したアルファベット)を当てはめてみました。自閉症だからデザインを採用したのではなく、企画段階で使えそうな絵があったな、と思いだしたのが試みのキッカケだったと思います。
自閉症といっても、(親としては)ただの人格の個性と捉えているので、ゲームへの反映も気張らずに進められました。弊社のゲーム制作経験者のフォローもあり、誰もが知っているアルファベットがシンプルなキャラとなって面白いテイストになったと思います。
こうなると次に、ゲームの内容を把握した上でデザインしてもらう事も試したくなり、曜日カードのデザインを進めてもらいました。ただこちらは、できあがったデザインは面白かったのですが、少し邪悪?な印象があったり、ゲームとして「分かりやすい」「遊びやすい」から少し外れたものになったため、そのまま使うというわけにはいきませんでした。
ゲーム制作経験者の修正が大いに必要なったのですが、使えそうなところを残していく配慮をしてもらったので、そのユニークさやちょっとしたパワーは残ったと感じます。
なぜ、こんなことを試みたのか? これについては、少し広い視野でゲーム制作について考えたいと思っています。
自分は多くの人に知られている大きなゲーム会社で有名なタイトルに長年関われたので、様々な人達と混ざる強みや面白さを体感してきました。せっかく会社を起こして新たなゲーム制作に進むのであれば、より未知との力や新しい出会いから、少しでも新しい面白いゲームの制作につなげていきたい野望があります。
ゲームをどうやって作って良いかわからない人や引きこもって外に踏み出せない人、健常ではないと言われた人、作れっこないと思い込んでいる人などの中に、ゲームを作ってみたい人は少なからずいると思われます。
「作ってみたい」という熱さえあれば、制作に混ざれるポテンシャルをゲーム自身が持っていると個人的には信じているので、弊社がその仕組みを考え、少しずつ実現に向かって進めていければと考えます。
イベント終了時には記念撮影も行われました。まるで優勝したかのように真ん中でドヤっているのが私ですが、集まった順にてきとうに並べられたらこうなってしまいました。。他の活躍された方々に申し訳ないです。。
ともあれ、成果を評価いただき、発表のキッカケもいただけたIndie Games Festival には感謝しかありません。何らかの形で、いずれ恩返しもできるよう精進してまいります。今回は自分が登壇してプレゼンしましたが、次に呼んでいただく機会があるなら弊社の社員がやってくれると思います。
審査員の評価では、攻めている所は好評いただいたのですが、分かりにくい点や無料でなかった点はマイナスとして御指摘いただきました。分かりにくい点は年内に少し改善を入れようと思い、やり方とかコツもあるので(わかると少し楽しくなると思うのですが)、近いうちに紹介できればなと思っています。
無料については(価格設定や売り方の)経験不足なところで、次作から検討したいと考えています。ゲーム作りは、終わりなき確認と修正のループだと思われますので、引き続きがんばって進めていきます。(最近こういうことを考えると、「がんばるうぃんばる」と頭に浮かんでしまい……)
ご質問ご感想、ご要望等ございましたら、弊社ホームページからお送りいただけると幸いです。答えられる内容であれば、この場のテーマにして雑文を書いてみたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
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