
株式会社WINxVAL代表の菱沼寛章です。
前回「D」の話は少々こむずかしく長い話になったかもしれません。とは言え、ゲーム制作も当然のことながら曖昧やいい加減な仕事で作られているわけではない、という説明でもありました。そんなの当たり前だろと思われるかもですが、意外とゲーム制作って実際はどうやっているの?はよく聞かれ、実態が想像しにくいという話は聞くので、少しずつ紹介できたらと思います。
ゲーム制作は作る側の人間が楽しむことも大事ですが、基本的にお客さんに「遊んでもらう」ものなので、おもてなしする感覚が大きいです。その責任から、プロが作るゲームは「作品」とは言わず「商品」言うことが多いです。これはちょっと堅い表現かもしれないので、やわらかい表現の例だと「モテない人には、良いゲーム作れない」という話題もたまに出ます。実際それが正しいかどうかは分かりませんが、モテるために必要な要素である、気が利く、気が付くという感覚が制作に必要だというイチ意見だったりします。
ふざけた話に広がる前に、制作現場の例を出してみましょう。作ってみたゲームを皆でチェックしてみて、面白く感じない箇所や修正が必要そうな箇所が見つかったとします。その際に、その箇所の担当者が「良い感じで直しておきます!」と答えて立ち去るものなら、大抵おいおいまてまてと呼び止められます。 え、なんで?良い感じにするのだから良いのでは?と思われるかもしれませんが、「良い感じ」では具体的に何をするべきなのか分からないままので、正しい方向に進まないことが多いからです。
身近で分かりそうな話に変えてみます。とある料理人が料理を作ってくれたとします。食べてみたらイマイチで今のままでは食べられないことを伝えると、作ってくれた料理人が「良い感じにしてきます」と料理を厨房に下げて再び持ってきてくれたとして、それは満足させられるものになっているでしょうか?なっているかもしれませんが、なぜイマイチと感じたのか?どうすればいいか?を聞かない限り、うまくいく可能性は低いと思われます。イマイチの原因が、味なのか量なのか嫌いなものが入っていたのか分からないままだからです。
よくゲームの感想で出てくる「長い」は、「面白くない」の言い換えの一つとしてとらえます。そのため、単純に短くしても解決しない場合が多いです。正しく言う、もしくは正しく聞くことは正しい修正のためにとても大事な要素になります。 そういう意味では「良い感じにしておきます」がカッコよく言った言葉だと思っている人は、「いー感じにしておきまーす」くらいにだらしなく聞こえていると思ったら良いのかもしれません。ピンとこない方は、言ったらではなく言われたらで想像してみると、、ほら、困らないです?
ここまで書いていて気づきましたが、「長い」は「面白くない」の表現の一つと言っておいて本文冒頭で前回の投稿を自分で「長い」と言っていますね。という次第で、今回はこれにて。(短くしたわけではないですよ)

