株式会社WINxVAL、代表の菱沼寛章です。
先日、親戚の子供と話す機会があって「最近観た映画で、一番面白かったのは何?」と聞くと、「マリオの映画!」と食い気味に即答されました。小学校高学年くらいの男の子なので、その熱量さもあらんという感じではありますが、それまで彼はマリオのゲームにはあまり触れてこなかったのに、夢中になって楽しめたそうです。
自分も観ましたが、制作側の丁寧かつパワフルな作りは感心しますし、マリオとは過去職でそれなりの付き合いはありましたので、見たことない動きや表情が飛び込んで来ると感動もひとしおでした。(最も感動したのは移動式クッパ城で、中身設計したい!と、こちらは本気で唸りましたが)
しかし、冷静に見れば「赤い帽子をかぶったヒゲのおっさん」。この人物をスーパーヒーローに仕上げるなんて、今から最初から企画したとしても、成立させるのはとても大変そうに思えます。ただ現実として、このキャラクターが世代も時代も国も超えて大人気になるのですから、キャラクターについては奥深さを感じます。長い年月の中で仕上がっていった集大成なのだと思います。
映画だけでなくゲーム制作でも、当然キャラクターや設定は意識するので、「あれ?それってそうだっけ?」とか「それはいいのか?」と、映画鑑賞中に気になったりもしました。ただ、観ているうちに「これはマリオがマリオの映画のために演じている、ということなのかも」と気づいて、そういう視点に切り替えるとなるほどなあと色々わかってきて面白かったです。
有名ゲームのスマッシュブラザーズに出ているマリオが、本物のマリオではなく「フィギュア」という設定だからこそ色々できる、というのに似ていると感じます。マリオの生みの親である宮本さんも「マリオ劇団」と呼んでいる、という記事を映画鑑賞後しばらくしてから見たので、やはり狙って作られたのだなあと腑に落ちました。
自分はさらにさかのぼると、ディズニーキャラを出すゲームにも関わったことがあります。それは数十年前のやりとりですが、ディズニーがキャラを守るための注文や要望も、かなり細かったので(特にシリーズ最初のタイトルだったこともあり)、キャラクターを愛することや守る事の重要さや必要な執念は、業界に入ってから早々に学べたので良い経験でした。
そこから他のゲームでも、アイデア出しで「そのキャラはそんなことは言わない」とか「ここのキャラはどうしたいの?」とか色々な試行錯誤やらNG/OKに関わりましたが、どれも愛あっての模索だと理解し着地点につながりました。それによって完成されたキャラクターは、関わった人間の想像を超えて印象がはね上がるので、この体感は今でも忘れられないです。
そういえば、親戚の子に「最近、何の映画が面白かった?」と質問を返されたので、自分は「THE FIRST SLAM DUNK !!」で即答しました。キャラクターを守りつつ新境地を開いたという意味では、このクオリティの映画は向こう数十年出ないのでは?と思えたくらいでした。1人で観た後、2人の我が子と共にもう2回観ました。セリフから動きから構成から声から曲から、監督の井上先生と制作現場の方々には、ただただひれ伏すばかりです。
この熱に当てられて、改めて自分もガッツリとキャラクターを意識したゲームは、いつか(若くないので遠くない未来がいいなあ)作りたいなあと思いました。その時のお手本としたいゲームは……、いずれココに書きたいと思います。
あ、でも近いうちに出す予定の小さなスマホゲームでは、少しだけキャラを意識しています。少しだけです。道のりはまだまだ遠いです。
ご質問ご感想、ご要望等ございましたら、弊社ホームページからお送りください。答えられる内容であれば、この場で回答的に書き込みたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
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